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ロックの部屋

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サディスティック・ミカ・バンド

サディスティック・ミカ・バンド「タイムマシンにお願い」
SADISTIC MIKA BAND

ロックのエッセンスをギュツと詰め込んだ日本のバンドのアルバムと言えば、真っ先に出てくるのが、サディスティック・ミカ・バンドのファーストアルバムです。

1973年に発表されたアルバムで当時の音楽状況が音にも現れていて、グラムロックあたりの影響が強く表れています。特にギターの高中正義の音が、ミック・ロンソン(当時デヴィッド・ボウイの彼のバックバンドのギターリスト)ぽかったりします。曲もTREX以のブギー調があったりします。

サディスティック・ミカ・バンドのファーストアルバムはイギリスでも話題を呼んで、発売されました。ヴォーカルが【ミカ】という女性、リーダーの加藤和彦の妻でもあった。

ロックバンドで女性ヴォーカルをフューチャーしたバンドというのは、当時は珍しくて、【ジェファーソン・エアプレイン】や【ショッキング・ブルー】あたりしか思いつかない。ジェファーソン・エアプレインはサイケっぽかったから、キャッチーなバンドではなかった。ショッキング・ブルーはオランダ出身だし、イギリスでは数年後でてきた【プリテンダーズ】が最初ではなかったか?アメリカでは【ブロンディ】がポップなバンドでは最初だったか。意外とロック界って保守的だったのだろうか。

日本では女性ヴォーカルをフューチャーしたバンドに【ペドロ&カプリシャス】とかいたけど、これとてロックというよりは歌謡曲。

グループサウンズをロックというのはちょっと強引すぎるか。【ゾンビーズ】とかの影響は受けていたようだけど、音はジャパニーズポップス。そもそも日本にロックがあったのかという問題もあります。【RCサクセション】も出発点はフォーク、【はっぴいえんど】が日本の最初のロックという見方があるようだけど、音はけしてロックぽくない。山下達郎や大滝詠一がいた【シュガー・ベイブ】はイギリスよりは、アメリカのグッド・タイム・ミュージックの影響を感じる。

キャロル(矢沢永吉)やダウンタウンブギウギバンドに至っては論外。彼らは英米で評価されることはなかった。サザンオールスターズは【レオン・ラッセル】や【エルトン・ジョン】の模倣。あの英語のアクセントを真似しただけのへんてこりんな日本語の歌い方は日本人として恥ずかしい。

何が言いたかったかというと、世界的に支持された日本で初めての正統派ロックバンドはサディスティック・ミカ・バンドだったと言いたいわけです。その後にYMOが続きましたが……

さて、「タイムマシンにお願い」はファーストアルバムからではなく、セカンドの『黒船』からの曲ですが、サディスティック・ミカ・バンドの魅力が詰まっているナンバーです。ミカの声も艶やかで生き生き。ギターもジンジン気持ちが良いです。楽しさ満載です。

ファーストアルバムからは「ダンス・ハ・スンダ」「アリエヌ共和国」「ピクニック・ブギ」など生かしたロックナンバーがあります。美しいバラードの「シトロン・ガール」なんて曲もあります。

日本のロックの原点、サディスティック・ミカ・バンドを若い人達にも聴いてもらって、評価してほしいなと思うわけです。

試聴はこちらで
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=689196


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